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意。)大気のよかった25〜26日は滑らかに変動しているのに対し、曇りがちだった24日および27日は、太陽の雪への出入りに対応して激しく変動している。
気圧は24日に極小値を記録しているが、同期間の気圧配置図を調べてみたところ、同地点の西方に位置する高気圧の張り出しの強弱に対応していることが分かった。
風速は2〜6m/secを記録し、気温の日変化にほぼ対応して日変化していた。風向はほぼ北で、西方に高気圧、東方に低気圧となっている気圧配置から推定される風向と一致した。(就寝時には風向風速計に電気を供給している発電機を停止させるため、欠測となっている。また26日以降はIOEB1号機に取り付け予定であった風向風速計が不良であることが判明したため、比較観測に使用していた風向風速計を使用することとなり、観測を終了している。)
相対湿度は23〜26日は約76%程度であったが、霧の発生した27日には約82%に上昇していた。
比較観測については、風向風速計の交換や撤収の都合等から同時に観測できた項目は気圧に限られたが、気圧は非常によく一致しており、気温と風速もIOEBのデータが妥当な値を取っていることを示している。
(3)雪氷観測(写真−11)
24日に実施した積雪深・積雪温度・積雪密度・海氷厚・海氷温度・海氷塩分の分布を図−6に示す。
積雪深は平均32cm(観測点では38cm)、海氷厚は3.5m〜4m(観測点では3.68m)であった。

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写真−11 比較較正観測(雪氷)。海氷塩分測定のためのサンプルの切り出し作業

積雪温度と海氷温度については、気温(−20℃)とほぼ同じ値を取る積雪・表面から、結氷温度(−1.6℃)とほぼ同じ値を取る海氷底面までほぼ単調に減少していた。積雪密度と積雪構造は、積雪表面から15cmの厚さの層が密度0.4g/cm3程度のしまり雪、その下厚さ4cmの層が密度0.3g/cm3程度のざらめ雪、厚さ1cmの氷板を挟んでその下の海氷表面までの厚さ18cmの屑が密度0.26g/cm3程度のしもざらめ雪であった。
海氷塩分は多年氷の分布(上部の0%から単調に増加して下部で3%)と同様な変化を示すが、下部での値が約5%とやや大きくなっている。これは観測した時期が海氷の成長期であるため、結氷時に取り込まれた塩分の影響が現れていると考えられる。

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図−6 比較較正観測(雪氷)

 

 

 

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